メディアのフレーム

補正予算見直し」に関して、「しわ寄せで市井の善良な人々が困っている」というフレームの報道が見られるようになってきた。そのような報道が、世論にどのような影響を与え、政治に対するどのような圧力を生みだしうるかを考えたい。誰が、どのような意図で「種」となる情報を流し、マスメディアにそのような報道をさせているのか。
もちろん、報道されているような事実は確かに(少なくとも確率的に)存在するだろうし、政策はすべからく多角的に検証すべきであろう。
しかし、まず問うべきは「補正予算見直し」なるものが、どのような方針に基づいてどのような優先順位で行われるべきか、という全体の哲学ではないか。その上で、「見直しをせよ」という指示が省庁サイドにどのようなインセンティブと抵抗をもたらしうるか、に対する予測が適切になされていたのかどうか、そして適切な予測に基づいた指示方法がとられていたのか、が検証されるべきではないだろうか。
「あえて誰の目にも明らかな悪手を打ってメディアに批判させることによって政策自体を潰そうとする」程度のことは普通に行われるのではないかと思う。
「メディアが伝えたい」メッセージがあるのか、それとも「誰かがメディアに伝えさせたい」メッセージがあるのか。
こういう話を「陰謀論的なもの」に陥らずに議論しなければならない。